専任媒介・専属専任媒介では、売主への販売状況の報告が宅建業法で義務づけられています。その報告書、"作業の証明"で終わっていませんか。本記事では、SUUMOやレインズのデータ(CSV)から、自社のロゴ・カラーを反映した「販売活動報告書」を、AIでA4・1枚に自動作成する無料スキルを配布します。レイアウトは固定なので、毎回まったく同じ体裁で作れます(=出力がブレません)。数字を偽らず、売主が次に動きたくなる報告書に。
本記事では、わかりやすさのためSUUMOの物件効果データとレインズの引合データを例に解説します。考え方とスキルは、HOME'S・at home など他のポータルにも応用できます(CSVを追加するだけで対応します)。
ひとことで言うと、「SUUMOやレインズのCSVを渡すだけで、自社の色に整った"売主向けの販売活動報告書(PowerPoint)"をAIが作る」という話です。作るのはAI、確認と提出は人が行います。ポイントは自動化そのものではありません。レポートは、AIを使えば誰でも作れる時代になりました。だからこそ差がつくのは道具ではなく、「どの数字を選び・どう解釈し・どんな会社の顔で届けるか」です。そこを毎回同じ品質で出せるよう、レイアウトを固定したスキルとして配布します。
Claude に登録するだけで使える配布スキルです。すぐ試したい方は、下のリンクから「ダウンロードと登録」へ飛んでください。
「スキル(Skill)」とは、Claudeに決まった作業手順と道具(今回はレイアウトを固定したスクリプト)を追加する仕組みです。ZIPを一度登録すれば、以降はCSVを渡すだけで使えます。
レイアウトはスキル内の固定スクリプトが描くので、変わるのは色・ロゴ・数字だけ。定期報告でも体裁がブレません。
会社HPのURLからロゴ・コーポレートカラーを取得して反映(取得できない場合はロゴ添付+色指定でもOK)。
SUUMO・レインズのCSVを読み、主要数字・日別の推移グラフ・似た物件との比較まで、A4・1枚に自動でまとめます。
媒介契約を結んだあと、宅地建物取引業者は売主に販売活動の状況(業務の処理状況)を報告する義務があります(宅地建物取引業法 第34条の2)。なお「販売活動報告書」は、会社によって「販売状況報告書」「業務処理状況報告書」とも呼ばれます。根拠条文は 宅地建物取引業法 第34条の2(e-Gov法令検索) で確認できます。媒介契約の種類ごとに、法定の報告頻度は次のとおりです。
| 媒介契約の種類 | 売主への報告頻度(宅建業法) |
|---|---|
| 専属専任媒介 | 1週間に1回以上(休業日を含む) |
| 専任媒介 | 2週間に1回以上(休業日を含む) |
| 一般媒介 | 法律上の報告義務なし(任意) |
報告の手段は、文書・メール・口頭のいずれでも構いません(宅建業法上の定め)。だからこそ、同じ報告でも「読みやすく・伝わる資料」にできれば、それがそのまま他社との差になります。一般媒介でも、任意で分かりやすい報告書を出すこと自体が信頼につながります。
レポートはAIを使えば誰でも作れる時代です。だからこそ、差がつくのは道具ではなく ①どの数字を選ぶか(例:似た物件との比較)②どう解釈するか(担当者の見立て)③どんな会社の顔で届けるか(ブランド) の3つ。「見られていること」を、売主が「次に動きたくなる」情報に翻訳できているか——ここが分かれ目です。このスキルは、その方針を最初から組み込んであります。
ポータルやレインズの管理画面の言葉は、売主には伝わりにくいものです。報告書では、次のように"やさしい言葉"へ言い換えます。スキルにもこの方針が入っています。
| もとの指標(むずかしい言葉) | 売主向けの言い換えと意味 |
|---|---|
| PV / アクセス数 | 見ていただいた回数 … 広告が表示・閲覧された回数 |
| 詳細PV / 詳細閲覧 | 詳しくご覧いただいた回数 … 写真や間取りのページまで進んだ回数(購入に前向きな動き) |
| お気に入り登録 | 「お気に入り」保存 … 検討リストに入れていただいた件数 |
| (レインズ)物件引合 | 物件を確認した回数 … 他の不動産会社が物件詳細を見た回数 |
| (レインズ)図面引合 | 販売図面を取り寄せた回数 … 他社が販売図面(間取り等の資料)を取得した回数 |
レインズの引合は、他の不動産会社がレインズ上で行った操作の回数です。同じ会社の重複や情報収集も含み、検討中のお客様の人数とは一致しません。「210人が検討中」といった誤解を招かないよう、報告書にも「※検討中のお客様の人数とは異なります」と一言添えます。
実際に、あるマンションのSUUMO物件効果データ(20日間)とレインズ引合データ(直近2週間分)を渡して、このスキルで報告書を作らせました。以下は生成された1枚(A4)です(会社名・ロゴは架空のサンプルに差し替えています)。
完成イメージ:A4・1枚に、主な数字/担当者コメント欄/SUUMOの推移グラフ/似た物件比(約1.7倍)/レインズの反応/お問い合わせの手集計をまとめた報告書(会社名・ロゴは架空のサンプル)
ただアクセス数を並べるのではなく、「どの数字を選ぶか(似た物件との比較)」「担当者はどう見ているか」「どんな会社の顔で届けるか(自社ロゴ・カラー)」まで入っているのが分かります。レイアウトは固定なので、次回以降も同じ体裁でこの品質を再現できます。なお、デモの「約1.7倍」は同エリア・同種物件との同一期間比較の一例です。比較の対象・期間は報告書内に明記してください。
| 必要なもの | 説明 |
|---|---|
| Claude デスクトップアプリ | パソコンで動くAIアプリ。claude.com/download から入手します(Claude Code でも可)。 |
| コード実行(ファイル作成) | 設定でオンにします(次のステップ1)。.pptxファイルの生成に必要です。 |
| SUUMO・レインズのCSV | 各管理画面から出力した反響データ。Shift-JISでも読めます。 |
| 会社HPのURL(任意) | ロゴ・コーポレートカラーの自動取得に使います。無い場合はロゴ画像の添付+カラー指定でもOK。 |
PowerPointファイルの生成には、Claudeの「コード実行とファイル作成」機能が必要です。この設定がオフの環境では、文章までしか作れません。本記事では、スキルの登録・利用が行いやすいデスクトップアプリ(またはClaude Code)での手順を紹介します。
Claudeの設定で「コード実行とファイル作成」をオンにします(.pptxを書き出すために必要)。設定画面のキャプチャつきの手順は、同じ操作を解説した 家具配置シミュレーターの記事(ステップ1) をそのまま参考にしてください(操作は共通です)。
この記事の手順は、画面キャプチャが無くても文章だけで進められるように書いてあります。キャプチャで確認したい方は、家具配置シミュレーターの記事 を別タブで開いておくと、この記事に戻りやすいです。
組織アカウントの場合は、管理者が「Organization settings(組織設定)→ Skills」でコード実行を有効化します。設定項目が見当たらないときは、社内の管理者にご依頼ください。
下のボタンから、スキル一式(`sales-report.zip`)を入手します。
| 配布ファイル | 入手 |
|---|---|
| 販売活動報告書スキル(ZIP) | 無料でダウンロード |
Claude デスクトップアプリで、次の操作を行います(登録画面のキャプチャは 家具配置シミュレーターの記事(ステップ2) が参考になります)。
チャットに SUUMO・レインズのCSV を添付し、会社HPのURLと物件情報を添えて、次のように頼みます。
例: このCSV(SUUMOとレインズ)で販売活動報告書を作って。会社HPは https://(自社サイト)、対象は〇〇マンション、専任媒介です。担当は△△。
AIがCSVを集計し、会社HPからロゴ・カラーを取得して、自社カラーの報告書(.pptx)を書き出します。
会社HPから取得できない場合は、ロゴ画像を添付し、コーポレートカラーをHEX(例 #1B4D3E)で伝えるだけでOKです。どちらも無ければ、既定色・文字ロゴで作成します。
A. はい。レイアウトはスキル内の固定スクリプトが描くので、変わるのは色・ロゴ・数字だけです。担当者や実行のたびに体裁がバラつく、ということがありません(定期報告に向いています)。
A. .pptxの生成には「コード実行とファイル作成」機能が必要です。この設定をオンにすれば作成でき、オフの環境では文章までしか作れません。本記事の手順は、スキルの登録・利用が行いやすいデスクトップアプリ(またはClaude Code)を例にしています。
A. SUUMOの管理画面(物件の効果測定・反響レポート)から、日別のアクセスデータをCSVで出力できます。レインズも同様に引合状況をダウンロードできます(画面名・出力項目は変更される場合があります)。
A. はい。スキル側で「文字コードは自動判定して読む」よう作ってあるため、Shift-JISのCSVでも読み込めます。
A. 会社HPのURLを伝えると、AIがHPからロゴ画像とメインカラーを取得して反映します。取得できない場合は、ロゴ画像の添付+カラーHEXの指定で対応でき、それも無ければ既定色・文字ロゴで代替します。
A. できます。各ポータルのCSVを一緒に渡せば、ポータルごとの反響を並べて表示し、合計も出します。
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藤田 遼(株式会社WIG 代表/宅地建物取引士)
不動産業界での実務経験をもとに、現場でそのまま使える生成AIの活用法を研究・発信。「今日からコピペで使える」を合言葉に、不動産特化のAIノウハウを届けています。