長期修繕計画にAIは使えます。使えるのは計画案づくりまでで、工事費の積算と劣化の判定は見積や調査・診断をもとに人が決めます。この記事では、AIでできる3つとできない2つ、無料で試せる指示文3本、理事会に出す前の検算7項目、サービス4タイプの選び方まで解説します。今日試せる範囲が見えてくるはずです。
工事費の高騰と5年程度ごとの見直しで、計画の作り直しが増えた。AIをうたうサービスの広告を見かけるが、そもそも長期修繕計画にAIが使えるのかが分からない——。この記事は、分譲マンションの管理会社で理事会を担当するフロント担当・管理業務主任者に向けて、長期修繕計画でAIにできる3つ・できない2つ、無料で試せる指示文、理事会に出す前の検算までを1本でまとめます。

・長期修繕計画でAIにできる3つ(整形・積立金シナリオ・説明文)とできない2つ(工事費の積算・劣化判定)
・見直し業務のBefore/Afterと、作業別の「使える・条件付き・使えない」判定表
・無料の汎用AIで試せる4ステップとコピペ指示文3本
・理事会に出す前の検算7項目、国交省の基準早見表、サービス4タイプの選び方
1-1. 結論|長期修繕計画のAI活用は「計画案づくり」まで使える 長期修繕計画にAIは使えます。使えるのは、理事会に出す計画案を作るまでの工程です。ChatGPTやClaude、Geminiなどの汎用AIに手元の計画書を渡せば、無料のプランでも今日から試せます。一方で、工事費の積算と劣化状況の判定はAIに任せません。汎用AIはその建物の数量や単価を持たないため、もっともらしい金額を返す可能性があります。国交省の長期修繕計画作成ガイドラインも、計画修繕工事の実施の要否や内容は、事前の調査・診断の結果に基づいて判断するとしています。AIが担うのは計画の「案づくり」で、計画に載せる数字の根拠は人が入れる——この線引きを最初に決めておけば、AIを使ってもリスクは増えません(参考:長期修繕計画標準様式・作成ガイドライン・同コメント(令和6年6月改定)|国土交通省)。
1-2. AIでできる3つの作業 長期修繕計画でAIに任せられる作業は、大きく3つです。いずれも手元の資料をそのまま渡せば動きます。①計画書の整形と抜け漏れの確認——作成者ごとに項目名や並び順が異なる計画書を、国交省の標準様式の区分に並べ替えます。並べ替えた表を基準と突き合わせれば、計上されていない工事項目や、周期が大きくずれている項目が一覧で出てきます。②修繕積立金のシナリオづくり——積立金を据え置いた場合と、物価上昇を織り込んだ場合で、残高がいつマイナスになるかを比べます。ここでAIに作らせるのは答えの数字ではなく、表計算に入れる数式です。③理事会・総会向けの説明文づくり——変更点と理由をA4用紙1枚にまとめた文章や、理事から出そうな質問の一覧を下書きさせます。3つとも、具体的な手順と指示文を3章に載せました。

1-3. AIに任せない2つの作業と、その理由 反対に、AIの出力で置き換えない作業が2つあります。判断の根拠が建物そのものにあり、責任の所在が決まっている作業です。①工事費と単価の算出——同じ外壁塗装でも、金額は面積・仕様・足場の条件で変わります。汎用AIはその建物の数量を知らないため、出てくるのは一般的な相場らしき数字です。計画に載せる金額は、見積書と過去の工事実績から人が入れます。②劣化状況の判定と工事の要否の決定——写真をAIに見せても、内部の劣化は写りません。国交省のガイドラインが求めるとおり、建築士などによる調査・診断の結果で判断します。この2つをAIに出させると、根拠を聞かれたときに答えられない数字が計画書に残ります。理事会や総会で必ず問われるのは、その根拠です。
2-1. フロント担当の見直し業務のBefore/After AIを取り入れて変わるのは、作業の量よりも時間の使い方です。見直しを担当するフロント担当の1サイクルで比べます。
削減できる時間は、計画書の形式や物件数によって変わります。AIサービス各社も試算結果は概算・目安と注記しているため、まずは1物件で試して自社の作業時間と比べるのが確実です。
2-2. 作業別の判定表|使える・条件付き・使えない 1章の3つと2つに加え、判断に迷いやすい作業を含めて一覧にしました。自社の業務と照らして、どこから試すかを決めるときに使えます。
| 作業|判定 | 補足 |
|---|---|
| 既存の計画書を標準様式の区分に並べ替える|使える | 転記漏れの最終確認は人が行う |
| 工事項目の抜け漏れを洗い出す|使える | 計上するかどうかは理事会と専門家が判断する |
| 修繕履歴を計画書の表に反映する|使える | 工事記録や請求書から実施年と金額を抜き出す |
| 修繕積立金シナリオの試算|使える | 数値ではなく表計算の数式を作らせる |
| 理事会・総会向けの説明文の作成|使える | 数字と表現は担当者が確認して配布する |
| 修繕周期の妥当性の確認|条件付き | ガイドラインや自社の周期表を渡した範囲でのみ比較させる |
| 複数社の見積書の比較整理|条件付き | 項目をそろえる作業まで。依頼先の選定は人が決める |
| 写真からの劣化の読み取り|条件付き | 気になる箇所の整理まで。診断の代わりにはならない |
| 工事費・単価の算出|使えない | 見積や調査・診断に基づき専門家が積算する |
| 劣化状況の判定と工事要否の決定|使えない | 建築士などが調査・診断で判断する |
「条件付き」の3つは、渡す資料しだいで結果が変わります。周期の目安やガイドラインの表を貼り付けたうえで、その範囲で比較させるのが前提です。
3-1. 4ステップの全体像|人の確認が入る場所 ここからは、汎用AIで実際に動かす手順です。見直しの流れ自体は変わらず、AIが入るのは理事会に案を出すまでの前半になります。
標準管理規約では、長期修繕計画の作成・変更に関する業務は管理組合の業務です(第32条)。変更の案は理事会で決議し(第54条)、作成・変更そのものは総会の決議を経て決まります(第48条)。管理会社はこの業務の委託を受けて案づくりを支援する立場です。用意する資料は、現行の長期修繕計画書、修繕履歴、直近の見積書と調査診断報告書、修繕積立金の残高と月額の4点です。なお本記事の指示文は、編集部で実際の長期修繕計画書(サンプル)を使い、ChatGPT・Claude・Geminiで動作を確認したうえで調整しています(出力はモデルの更新により変わる場合があります)。
3-2. 【指示文1】計画書を国交省の様式の区分に並べ替える 最初の作業は、手元の計画書を比較できる形にそろえることです。分譲会社や設計コンサル、前任者が作った計画書は、作成者ごとに項目名や並び順が異なります。標準様式の区分に並べ替えると、抜け漏れの確認と前回との比較がしやすくなります。
あなたはマンションの長期修繕計画の作成を支援する担当者です。添付した長期修繕計画書の工事項目を、以下の区分に並べ替えて表にしてください。
【区分】
1. 仮設工事
2. 建物(屋根防水、床防水、外壁塗装等、鉄部塗装等、建具・金物等、共用内部)
3. 設備(給水、排水、ガス、空調・換気、電灯、情報・通信、消防用、昇降機、立体駐車場)
4. 外構・その他
5. 調査・診断、設計、工事監理などの費用
6. 長期修繕計画の見直し費用
【出力形式】
区分/工事項目(元の名称のまま)/修繕周期(年)/次回の実施予定年/推定工事費(円)/元の計画書での記載ページまたは行
【条件】
・数値は計画書に書かれたとおりに転記し、単位の換算や計算をしないでください
・計画書から読み取れない項目は空欄にせず「記載なし」と書いてください
・どの区分にも当てはまらない項目は、表の最後に「区分不明」としてまとめてください
区分は標準様式で確かめる:国交省が公開している標準様式のExcelを開き、自社で使っている区分名に合わせて書き換えます。/該当しない設備は区分から削る:立体駐車場や昇降機がないマンションは、区分から削っておくと出力が短くなります。
3-3. 【指示文2】抜け漏れと周期のずれを洗い出す 区分をそろえたら、次は計画の弱点を探します。AIには判定させず、「確認が必要な箇所の候補」を理由付きで挙げさせるのがポイントです。
先ほどの表を、以下の【確認基準】と突き合わせてください。確認が必要な箇所を、理由とあわせて一覧にしてください。
【確認基準】
・計画期間が30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれているか
・前回の作成または見直しから、何年が経過しているか(作成年:__年)
・将来の一時金の徴収を予定していないか
・計画期間の最終年度に借入金の残高が残っていないか
・各工事項目の修繕周期が、以下に貼り付けた周期の目安と比べて大きく外れていないか
【周期の目安】
(ここに国交省ガイドラインの周期の表、または自社で採用している周期の表を貼り付け)
【出力形式】
確認項目/計画書の記載内容/基準との差/確認が必要な理由(50字以内)/確認する相手(理事会・設計者・施工会社など)
【条件】
・基準を満たしているかどうかを断定せず、「確認が必要」「問題は見当たらない」のどちらかで書いてください
・周期の目安が貼り付けられていない項目は、推測で目安を補わず「目安未入力」と書いてください
周期の目安は貼り付けてから使う:AIの知識で補わせると、根拠の分からない年数が混ざる可能性があります。/前回の見直し時のメモも渡す:前回あえて周期を延ばした項目は、理由を添えると「確認が必要」から外れやすくなります。出力された一覧は、調査・診断や見積を依頼するときの論点表としても使えます。確認基準の数値の根拠は、4-2の早見表にまとめました。
3-4. 【指示文3】修繕積立金のシナリオを数式で作らせる 資金シナリオでは、AIに答えの数字を出させず、表計算の数式を作らせます。生成AIは長い計算の途中で誤る可能性があるためです。数式にしておけば担当者が検算でき、前提を変えたときも自動で再計算されます。
修繕積立金の収支を30年分試算する表計算シートの設計を作ってください。計算結果の数値は書かず、列の構成とセルに入れる数式だけを出力してください。
【入力する値(シートの上部に入力欄を作る)】
・開始年、現在の修繕積立金残高、月額の修繕積立金総額
・年ごとの推定修繕工事費(指示文1の表から年別に集計した値を貼り付け)
・物価上昇率(シナリオごとに入力欄を分ける)
【シナリオ】
A:積立金を据え置き、物価上昇率0%
B:積立金を据え置き、物価上昇率_%
C:物価上昇率_%で、最終年度に残高がマイナスにならない均等の月額を求める
【出力形式】
・列:年/経過年数/推定修繕工事費/物価上昇を反映した工事費/年間積立額/年末残高
・各列の数式をExcelとGoogleスプレッドシートの両方で使える形で書く
・残高がマイナスになる年に色を付ける条件付き書式の設定方法を書く
物価上昇率の数値はAIに選ばせず、理事会と合意した前提を人が入れます。3案を並べると、「据え置いた場合に何年目に不足するか」を理事会で示しやすくなります。
4-1. 検算7項目|AIの出力で見落としやすい箇所 AIの出力は、理事会に出す前に人が検算します。見落としやすい箇所は決まっているため、次の7項目を順に確認しましょう。

7項目のうち1から4は、根拠を示せるかどうかの確認です。5から7は、転記の事故を防ぐ確認になります。合計の検算は、AIではなく表計算ソフトで行いましょう。
4-2. 突き合わせる国交省の基準早見表 検算の3番と4番で使う数値は、国交省のガイドラインと管理計画認定制度の基準から取ります。AIの知識に頼らず、一次資料の数値を人が条件として渡すのが基本です。
| 基準|内容 | 出どころ |
|---|---|
| 計画期間|30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上 | 長期修繕計画作成ガイドライン |
| 見直しの周期|5年程度ごとに見直す | 長期修繕計画作成ガイドライン |
| 段階増額積立方式の幅|計画の初期額は基準額の0.6倍以上、最終額は基準額の1.1倍以内 | マンションの修繕積立金に関するガイドライン(令和6年6月改定) |
| 認定:見直しの時期|作成または見直しが7年以内に行われている | 管理計画認定制度 |
| 認定:計画期間|30年以上で、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれる | 管理計画認定制度 |
| 認定:一時金|将来の一時的な修繕積立金の徴収を予定していない | 管理計画認定制度 |
| 認定:積立金の水準|計画期間全体の総額から算定した平均額が著しく低額でない | 管理計画認定制度 |
| 認定:借入金|計画期間の最終年度に借入金の残高がない | 管理計画認定制度 |
段階増額積立方式の「基準額」は、均等積立方式とした場合の月あたりの金額を指します。表の数値は、指示文2の【確認基準】にそのまま書き足して使えます(※2026年9月時点の情報です。改定の有無は国交省とマンション管理センターの公式サイトでご確認ください。参考:長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント 新旧対照表(令和6年6月7日)|国土交通省/管理計画認定手続支援サービス|公益財団法人マンション管理センター)。
4-3. AIで見直しても調査・診断は省けない 検算を終えても、建物の調査・診断は省けません。ガイドラインは、計画修繕工事を実施するかどうかや工事の内容を、事前の調査・診断の結果に基づいて判断するとしています。AIの出力は、この判断の前段にある資料整理の位置づけです。実務では、3-3で作った一覧を診断の依頼書に添えると、範囲の相談が早く進みます。周期のずれが大きい屋上防水や給排水設備を重点項目として伝える使い方です。長期修繕計画の見直しや調査・診断、修繕設計、工事監理の費用も、ガイドライン上は計画に含める対象です。指示文1で「調査・診断、設計、工事監理などの費用」を独立した区分にしているのは、この費用の計上漏れを見つけるためです。
5-1. 4タイプの比較|サービス名と料金の目安 汎用AIで一度回してみると、手作業で追いつかない部分が見えてきます。専用サービスの検討は、その段階で始めるのが効率的です。長期修繕計画でAIを使う方法は、大きく4つに分かれます。
| タイプ|代表例 | 料金の目安/向く場面 |
|---|---|
| 汎用AI|ChatGPT、Claude、Geminiなど | 無料プランあり。法人向けは1ユーザー月額数千円程度/手元の計画書の整形、抜け漏れ確認、説明文の作成 |
| シミュレーター型|SOLCUBE Cloud | 無料はサンプル物件のみ。Standard 月5,980円、Business Lite 月29,800円、Business Plus 月59,800円/物価上昇率を変えた再計算、標準様式対応のExcel出力 |
| 作成・更新代行型|AI修繕ドクター(配管保全センター) | 初期費用15万円〜、年間3万円〜/30年以上の計画の作成と、毎年の起点更新を任せる |
| 第三者見直し型|マンションAI®(全国建物調査診断センター) | 50戸以下15万円(税別)、51戸以上は要見積もり/既存計画の第三者チェックと、住民向け説明までの支援 |
専用サービスはいずれも、試算結果が概算であることや専門家の関与を前提とする案内をしています(※2026年9月時点の情報です。料金・機能は各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。参考:SOLCUBE Cloud|長期修繕計画シミュレーター/「AI修繕ドクター」を提供開始|配管保全センター(PR TIMES)/長期修繕計画AI見直し相談室|全国建物調査診断センター)。
5-2. どのタイプから始めるかの分かれ目 最初に試すタイプは、担当物件の数と資料のそろい方で決まります。①手元に現行計画と修繕履歴がある→まず汎用AIで整形と抜け漏れ確認を試す(3章)。②同じ試算を10物件以上で繰り返す→シミュレーター型の月額と作業時間を比べる。③計画そのものが古く、作り直しが必要→作成・更新代行型に見積を取る。④管理組合から中立の確認を求められた→第三者見直し型を候補に挙げる。汎用AIと専用サービスは置き換えの関係ではなく、汎用AIで資料を整えてから専用サービスに入力すると入力の手戻りが減らせます。比較するときは、料金よりも先に「工事費の単価や修繕周期の前提が画面や出力で確認できるか」を見ましょう。根拠が見えないサービスの数字は、4章の検算で結局【要確認】に戻ります。

5-3. AIサービスを導入しない方が良い4つのケース 判断は「どのサービスにするか」だけではありません。次に当てはまる場合は、月額の契約を見送るか、時期をずらすほうが結果的に見直しが進みます。
見送る場合も、修繕履歴と見積書を毎年同じ形式で残しておくと、導入を再検討するときの準備になります。
6-1. 計画の変更は総会の普通決議が標準になる 長期修繕計画の作成や変更は、マンション標準管理規約では総会の普通決議の対象です。令和7年10月17日に改正された標準管理規約でも、第48条の議決事項に「長期修繕計画の作成又は変更」が挙げられています。一方、第47条3項の特別決議事項には含まれていません。標準管理規約の普通決議は、議決権総数の過半数を有する組合員が出席した総会で、出席組合員の議決権の過半数で決します(第47条1項・2項)。規約そのものの変更や、共用部分の形状・効用の著しい変更を伴う工事は特別決議の対象になるため、議案を分けて扱う必要があります。改正区分所有法は2026年4月1日に施行されており、対象マンションの規約が改正前のままの場合もあります。見直しの前に、現行の規約で決議要件を確認しましょう。AIに説明文を作らせるときも、決議要件は規約の条番号を人が確認してから書き込みます(参考:マンション標準管理規約・長期修繕計画作成ガイドライン|国土交通省/「マンション標準管理規約」を改正します(令和7年10月17日)|国土交通省)。
AIに渡すのは、建物と工事に関する資料だけにそろえます。次の2点は、貼り付ける前に外すか確認しましょう。①個人情報——組合員名簿や滞納者の一覧は、長期修繕計画の見直しには使いません。理事会資料をまとめて渡すのではなく、3-1で挙げた4点の資料に絞ります。②成果物の利用条件——設計コンサルに作成を依頼した計画書は、第三者のサービスへのアップロードを制限する条項が契約に含まれるケースも考えられます。初めて使う前に、業務委託契約の成果物の扱いを確認しておくと安全です。入力してよい情報の社内ルールは「不動産会社のAI利用ルールの作り方」もあわせてご覧ください。
A. 様式と項目の骨組みまでは作れます。ただし、工事費と数量を伴う計画書としては成立しません。新規に作成する場合は、設計図書と修繕履歴、直近の見積を渡したうえで、金額欄を【要確認】のまま出力させ、専門家の積算で埋める進め方が現実的です。
A. 管理計画認定の基準は、計画期間や見直し時期など計画の内容を対象としており、作成方法を問う項目は4-2の早見表には含まれていません。申請の手続きや必要書類は、マンションが所在する地方公共団体によって異なります。申請前に、所管の自治体の案内を確認しましょう。
A. 4章の検算を終えるまでは配らないでおきましょう。出典の分からない数字が資料に残ると、質疑で答えられなくなります。配布する資料には、試算の前提(物価上昇率、対象とした工事項目、根拠にした見積の日付)を1行添えておくと、後任の担当者も説明できます。
A. 指示文1と指示文2は、一棟の賃貸マンションやアパートの修繕計画にも使えます。賃貸物件の修繕計画は法令で様式が定められていないため、国交省の標準様式の区分は抜け漏れ確認の物差しとして役立ちます。オーナー向けの説明では、修繕の効果を賃料や入居率の上昇と断定しない書き方にしましょう。
まずは担当物件の長期修繕計画を1つ選び、指示文1で国交省の区分に並べ替えてみましょう。次回の理事会で何を確認すべきかが、表で見えてきます。
AIが作成した文章・試算を業務で使用する際は、宅地建物取引業法や景品表示法に抵触する表現がないか、宅地建物取引士・一級建築士・マンション管理士など有資格者による最終確認をお願いいたします。工事費の積算と劣化状況の判定・工事の要否はAIに任せず、見積書と調査・診断の結果に基づいて専門家が判断してください。計画の変更の決議要件は、現行の管理規約の条番号を人が確認してください。組合員名簿など個人情報や、契約で第三者提供が制限された成果物はAIに入力しないでください。AIの機能・料金や各社の公表値・制度(ガイドライン・認定基準・標準管理規約)は改定されることがあるため、公開前に国交省・マンション管理センター等の一次情報でご確認ください。本記事はAI活用の実務的な解説を目的とし、法的助言を提供するものではありません。
理事会・総会の記録づくり。説明文とセットで会議運営をAIで軽く。
修繕・改修の提案書づくり。工事費の扱いと提案文の線引き。
4章の検算の背景。もっともらしい工事費や周期を見抜く。
6章の入力可否と成果物の扱いを社内ルールへ。
長期修繕計画の「AIで案づくりを速くする」運用を自社に定着させませんか 株式会社WIG/不動産AI総合研究所は、計画書の区分整形と抜け漏れ確認のプロンプト整備、積立金シナリオの数式づくり、理事会前の検算フローと国交省基準の突き合わせまで、長期修繕計画のAI活用を支援しています。まずは無料のAI成熟度診断、または個別相談からお気軽にどうぞ。
藤田 遼(株式会社WIG 代表/宅地建物取引士)
不動産業界での実務経験をもとに、現場でそのまま使える生成AIの活用法を研究・発信。「今日からコピペで使える」を合言葉に、不動産特化のAIノウハウを届けています。