〜制作会社に外注していたホームページを、代表自らClaudeで作り、直せるようになるまで〜

ホームページの軽微な改修に数万〜10万円。分譲マンション専門の賃貸管理と売買仲介を手がけるエルシーズ株式会社は、かつてホームページを直すたびに制作会社への支払いが発生し、2026年に始めた新サービス「ライブ売却」の掲載さえ後回しになっていました。
そんな同社が、株式会社WIGの伴走のもと、生成AI「Claude」を使って代表自らホームページを作り、直せる体制に切り替えました。何に悩み、どう進め、何が変わったのか。代表取締役の渡邉圭太氏と、リレーションマネージャーの植村悠太氏にお話を伺いました。(聞き手:株式会社WIG 代表取締役 藤田遼)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | エルシーズ株式会社(2019年10月設立) |
| お話を伺った方 | 代表取締役 渡邉圭太 氏/リレーションマネージャー 植村悠太 氏 |
| 所在地 | 東京本社:東京都渋谷区代々木/横浜支社:神奈川県横浜市港北区 |
| 事業内容 | 分譲マンション専門の賃貸管理、ファミリータイプに特化した賃貸仲介、湾岸・城南エリア中心の売買仲介、Tokyo Expat事業、インテリアコーディネート ほか |
| ご依頼の内容 | ホームページの構築・運用を、生成AIで自社運用に切り替える伴走支援 |
| 公式サイト | https://www.lcsgroup.co.jp/ |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課題 | ・制作会社に外注。ページ追加に数万〜10万円、バナー変更に5〜10万円 ・公式サイト2つ+Wixの採用ページで、サイトが3つに分散 ・新事業「ライブ売却」の掲載も後回しになり、HPが会社の今の方針と乖離していた |
| WIGと 実施したこと | ・デザインと文章は、代表自身がClaudeと対話しながら作成・修正 ・SEO・セキュリティ・ドメイン移管など「失敗できない専門性の高い領域」はWIGが担当し、週1回のミーティングで構成や導線の仕掛けを壁打ち・実装 |
| 結果 | ・運用・保守費を大幅削減し、都度の修正費用はゼロに ・新しい事業方針を即日反映できる「生きたHP」になった ・副産物として、レポート作成など社内のAI活用が大きく広がった |
──まずは御社の事業内容からお聞かせください。
渡邉:賃貸仲介からスタートし、賃貸管理、売買仲介へと展開してきた不動産会社です。分譲マンション専門の賃貸管理と、売買仲介では「ライブ売却」という、売却活動の透明化を目指すサービスを始めました。お客様の手間をなくし、コストをなくし、楽と利益を増やして差し上げる。それを目指している会社です。
不動産の売却は、多くの方にとって人生で一度あるかないかの出来事です。「何が正しいのか分からないけれど、信じるしかない」という構造そのものを変える——。同社の取り組みは、その一点に向かっています。だからこそ、会社の考え方を正しく伝えるホームページが欠かせませんでした。
──以前は、ホームページをどのように制作・管理されていましたか。
渡邉:ホームページ制作会社に外注していました。「ホームページくらいはしっかりして、信頼してもらえる会社にしよう」と、プリウスの新車が買えるくらいの金額を払って作りました。ホームページを作れば問い合わせが来るだろうと思っていた。でも、来ないんです。ここを変えた方がいい、と自分で考えて依頼するのですが、あれも変えたい、これも変えたい、と思うたびに、次々とお金を請求されていきました。「そのお金って妥当なんですか」と聞いても、返ってくるのは「妥当です」だけでした。
──具体的には、どんな項目で費用がかかりましたか。
渡邉:ホームページは、「ここもこうすればよかった」というのが後から絶対に出てきます。1ページ増やすごとに数万円から10万円、デザインを入れるとさらにお金がかかる。結局、自分で作らないので、伝えたいことがだんだん薄まっていくんです。
サイトに載っていた英語の文法が間違っていたこともありましたが、修正のチェック期間が過ぎていて直せませんでした。採用ページは Wix で別に作り、基幹システムの会社に作ってもらった物件サイトも別ドメインで「公式」として運用していた。公式サイトが実質2つ、採用ページで3つ目、という状態です。
直したいところがあっても、見積もりを見て諦める。その積み重ねで、ホームページは少しずつ「今の会社」から離れていきます。そしてその影響は、新しい事業を始めたときにはっきり表れました。
──ホームページを自分で触れないことは、経営上どのくらいの影響がありましたか。
渡邉:うちに問い合わせをしてくださるお客様は、ほぼ全員ホームページを見ています。名刺と同じです。ライブ売却のような新しい事業をお客様へ提供する際、営業マンの説明は変わっているのに、企業の名刺であるホームページがそれに追いつかない。「言っていることと、発信していることが合っていない」状態は、売上をつくるうえで大きな足かせになっていました。

WIGとの取り組みは、既存顧客向けのメールマーケティングの整備から始まりました。その後ブランディング戦略を一緒に進めるなかで「今のホームページ、会社の姿と全然違うよね」という話になり、今回のプロジェクトに至っています。
──「AIを使ってホームページを運用しましょう」と聞いたとき、不安はありませんでしたか。
渡邉:不安はなかったです。それ以上に期待の方が大きかった。ホームページの会社に対する悩みを消せる、というのはすごく大きいと思いました。
AI でホームページが作れることは、Threads や X の投稿で知っていて、実際に子供のラグビーチームのページを途中まで作ったこともありました。最初のホームページのときも、ワイヤー(ページの枠組み)は自分で考えていた。だから「できないわけがない」と思っていました。
渡邉氏は10年以上前から、iPadで申込書を書いてもらいPDFでやりとりするなど、業界の中でも早くからITを取り入れてきた経営者です。一方で、社内の受け止め方は少し違いました。
──植村さんは、この話を聞いたとき、どう感じましたか。
植村:プロンプトでどこまでできるのかを知らなかったので、「作れます」と言われても「本当か?」という印象の方が強かったです。
でも、週1回のミーティングで出来上がっていくのを見ていたら、「すごい、ちゃんとできている」と変わりました。しかも、修正したい点があれば直接依頼できる。それはすごいな、と。
──自社だけで進める、WordPress などを使う、という選択肢もあったなかで、今回の進め方を選んだ理由は何でしたか。
渡邉:ある程度は自分でできて、分からないことがあったら随時WIGに質問できる。この座組が非常に良かったです。最初、画像がうまく表示されなくて、原因が形式なのかどうかも自分では分からなかった。そういうときに相談できる人がいるのは大きかったです。AIを利用して一人ですべてを構築するのは無理ですね。分からないことが2、3続くと嫌になってしまうと思います。
今回の進め方は、デザインや文章などの「表側」は同社が自由に触り、SEO・セキュリティ・ドメイン移管など「失敗できない専門性の高い領域」はWIGが担うという役割分担です。自分で手を動かせる自由と、詰まったときに必ず聞ける安心。その両方がそろっていたことが、踏み出す決め手になりました。

──費用面では、どのくらい変わりましたか。
渡邉:今かかっているのはドメイン代の年間2,000円程度です。保守運用料だけで大幅に削減できていますし、都度の修正費用もなくなりました。
──その分、代表の時間を取られているのでは、という見方もありそうですがいかがでしょうか。
渡邉:完成するまでは、確かに時間はかかります。でも、自分が伝えたいことを自分で書きたい、というのが大きいです。分譲マンション専門の賃貸管理が「なぜできるのか」を制作会社に説明するのは、たぶんとても難しい。何度もラリーした末に、最後は妥協しなければならなくなる。時間はかかりますが、AIを活用したホームページ作成にはそれ以上の価値があります。
──費用以外で、意外だった価値はありますか。
渡邉:新しいことを始めたときに、すぐに記載して、すぐに変えられる。これは絶対的にあります。
中小企業なら、ホームページは5年くらい同じものを使います。5年前と言えばコロナ明けの頃で、世の中は大きく変わっているのに、ホームページは変わらない。今は、会社の方針に沿ってホームページも同時に変わっていく。お知らせ欄を見れば「この会社は動いている」と分かるんです。
費用が下がったこと以上に大きかったのは、ホームページが「一度作って終わりのもの」から、会社の動きに合わせて育てていくものに変わったことでした。渡邉氏の言葉を借りれば、まさに「生きたホームページ」です。

| 項目 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 保守費用 | 年間数十万円以上 | ドメイン代のみ(年間約2,000円) |
| ページ追加 | 1ページ 数万〜10万円 | 自社で対応。1ページ3〜4時間 |
| バナー追加・変更 | 5万〜10万円/回 | 自社で対応。費用ゼロ |
| 新事業の掲載 | 費用と手間で後回し | 即日反映 |
| 採用ページ | Wix で別サイトを運用 | 公式サイトに統合可能 |
| サイト数 | 公式2つ+採用1つ | 1つに集約(SEO面でも有利) |
| 全面リニューアル | 数十万〜数百万円の見積もり | 不要 |
※金額はインタビュー時点での同社の実績・見積もりに基づきます。
──代表がこれだけ AI を使っていると、社内の使い方も変わってきたのではないですか。
植村:それは副産物ですね。毎週のレポート作成にも使うようになっています。「数字を打つだけだから今までの方が楽じゃん」という感覚が、なくなってきています。
植村:前の会社でWIGのようなDXコンサルに入ってもらったときは、「お金を払っているのだから、コンサルが動くのが当たり前」というお客さん感覚になって、うまく習得まではいきませんでした。今回はWIGに一緒に並走してもらう形だったのが大きな違いでした。こういうAI活用を当たり前にするには、コンサルに全部頼んだら意味がないと思うんです。再現性がないですし。大事なのは伴走してもらいつつ、自主性とのバランスだと思います。
AI研修を一度開いても、「AIってすごいな」で終わってしまうことは少なくありません。いちばん難しいのは、日々の業務への浸透です。実際の業務を題材に一緒に作ってみることで、はじめて社内にAIが根づく——今回のプロジェクトは、その実例にもなりました。
──今後、AI をどう活用していきたいですか。
植村:今は、お客様専用の提案書を作っています。汎用的な提案書をみんなに見せるのではなく、お客様ごとの属人性が必要になる。AI に事例を集めてもらい、うちの提案書と合わせてカスタムしていきたいです。
管理の方では、入居者様やオーナー様からの問い合わせを、チャットボットで解決できるようにしたい。簡単なものはどんどん自動化して、対応コストを下げたいです。
渡邉:以前は、アプリを作りたいと思っても、SE がいないので何もできなかった。それが、できるようになってきた。「不動産会社として、こういうものがあったら便利だな」と自分たちが作ったものを、将来的にはサービスとして提供できるかもしれない、という考えも芽生えてきています。
ホームページも、しっかり更新して「生きたホームページ」にしていきます。止まった絵ではなく、生中継のようなイメージで、最新情報や顧客の声を増やしていきたいです。
──同じ悩みを持つ不動産会社に、どんな言葉をかけたいですか。
渡邉:声をかけたら「やりたい」という会社は多いと思います。彼らの中にあるのは、不安というより「不満」です。
不動産会社はスタッフの出入りが多く、スタッフ紹介の写真なども都度差し替える必要がある。だから「基幹システムの会社が用意しているホームページを使えば簡単だから、そこに頼むしかない」と思っている会社が、絶対に多いはずなんです。でも、そんなことはない。それは別に使わなくていいんだよ、と伝えたいです。

取材の最後に、WIGの支援で改善してほしい点を伺いました。渡邉氏の答えは、「ホームページの組み立て方を知らない人には、どういう仕掛けが有効かを伝えてあげた方がいい。ポップアップすら知らない人も、たぶんいます」というものでした。
WIGでは、お客様のリテラシーに合わせて支援の「介入度」を調整することを大切にしています。エルシーズ社は最初からリテラシーが高く自走をベースに、弊社エンジニアの稼働を最小限にし、同社のこだわりを最大限に活かす形にしました。一方で、構成はWIGが用意し、お客様には内容や画像だけを用意していただく、といった介入度の高い進め方も用意していきます。
| 領域 | 担当 | 内容 |
|---|---|---|
| ブランディング・構成設計 | WIG + エルシーズ | 週1回のミーティングで壁打ち。仕掛け(導線・ポップアップ・バナー等)の提案 |
| フロントエンド(デザイン・文章) | エルシーズ(Claude を使用) | 代表自身が AI と対話しながら作成・修正 |
| SEO・セキュリティ・バックエンド | WIG | 「失敗できない部分」を担当 |
| ドメイン・メールサーバー移管 | WIG | 業務影響を出さずに移行 |
| 技術的な相談(画像形式・プラン等) | WIG | 詰まったときのセカンドオピニオン |
「HPの修正は諦めるもの」。エルシーズ社は、その前提を自らの手で書き換えました。もし今、あなたが、
そんなお悩みをお持ちなら、ぜひ一度WIGにご相談ください。表側は自社で自由に、裏側は専門家が支える——エルシーズ社と同じ進め方を、御社のリテラシーに合わせてご提案します。
自社でHPを更新できる体制をつくりませんか
株式会社WIGでは、不動産会社向けに、生成AIを使ったホームページ構築・運用の伴走支援を行っています。「制作会社への都度費用をなくしたい」「AI活用を社内に定着させたい」という方は、無料個別相談をご利用ください。
まずは自社のAI活用度を把握する
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取材概要
取材協力:エルシーズ株式会社(https://www.lcsgroup.co.jp/)/聞き手・構成:株式会社WIG 代表取締役 藤田遼(宅地建物取引士)/取材日:2026年9月
藤田 遼(株式会社WIG 代表/宅地建物取引士)
不動産業界での実務経験をもとに、現場でそのまま使える生成AIの活用法を研究・発信。「今日からコピペで使える」を合言葉に、不動産特化のAIノウハウを届けています。