# 賃貸住宅管理業法 × AI 可否チェックリスト # ── 法定義務ごとに「AIに任せてよい/下書きまで/人がやる」を判断するための確認表です。 # # 出典:賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和2年法律第60号) # https://laws.e-gov.go.jp/law/502AC0000000060 # 同法施行規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/502M60000800083 # 国土交通省 賃貸住宅管理業法ポータルサイト # https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/pm_portal/ # # ※ 本資料は一般的な整理です。個別の判断は所管の地方整備局等、顧問弁護士にご確認ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 1. 前提の確認 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □ 自社の管理戸数は200戸以上か(200戸以上は登録が必要/法3条1項・施行規則3条) □ 営業所・事務所ごとに業務管理者を選任しているか(法12条) □ サブリース(特定賃貸借契約)を行っているか → 行っている場合、法28条〜31条が適用されます (28条・29条は特定転貸事業者と勧誘者に、30条・31条は特定転貸事業者に向けられた規定。 いずれも条文上、登録の有無や戸数は要件ではありません) □ ※法12条〜21条の義務は、登録を受けた賃貸住宅管理業者に課されるものです(法2条3項) 200戸未満で未登録の場合は直接の適用対象外。ただし国土交通省は任意登録が望ましいとしています ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 2. 義務ごとの可否チェック ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【管理受託契約の締結前の説明(法13条)】 AIに任せてよい : 説明に使う資料の読みやすい整理、社内の説明手順のマニュアル化 下書きまで   : 記載事項の抜け漏れチェック(省令で定める事項と突き合わせる) 人がやる    : 相手方への説明そのもの、書面の交付、内容の最終確認 □ AIの出力をそのまま説明資料として使っていないか 【管理受託契約の締結時の書面交付(法14条)】 下書きまで   : 記載事項(対象・実施方法・契約期間・報酬・更新/解除 ほか)の点検 人がやる    : 交付、記載内容の確定 □ 交付書面の内容をAIの推測で埋めていないか 【帳簿の備付け(法18条/施行規則38条)】 AIに任せてよい : 記載内容の整理、記載漏れの洗い出し 人がやる    : 記載事項の確定と保存(各事業年度末に閉鎖し5年間保存) □ 委託者名・契約年月日・対象住宅・管理業務の内容・報酬額・特約 は正確か 【委託者への定期報告(法20条/施行規則40条)】 AIに任せてよい : 報告書の文章化、苦情記録の要約・分類 下書きまで   : 管理業務報告書のドラフト作成 人がやる    : 数値の突合、交付と説明、電磁的方法を使う場合の委託者の承諾取得 □ 報告の対象期間/管理業務の実施状況/入居者からの苦情の発生状況と対応状況 が入っているか □ 契約日から1年を超えない期間ごと、および契約期間の満了後遅滞なく報告できているか 【管理業務の再委託(法15条)】 ※ 禁止されているのは「全部」の再委託。一部の再委託は、管理受託契約に定めがあり、 自ら再委託先の指導監督を行う場合に可能(解釈・運用の考え方) □ 管理受託契約に一部の再委託に関する定めがあるか □ 締結前の説明で、再委託する業務の内容と再委託予定者を明らかにしているか(規則31条6号) □ 管理業務のすべてを他者に委ね、自社が一切行わない状態になっていないか 【秘密を守る義務(法21条)】 人がやる    : 外部サービスに何を入力してよいかの判断 □ 入居者・オーナーが特定できる情報を、AIに入力していないか □ 従業者にも義務がかかること、退職後も続くことを周知しているか □ 「従業者」には再委託を受ける者など直接の雇用関係にない者も含まれる点を押さえているか 【サブリースの広告・勧誘(法28条・29条)】 下書きまで   : 表現案の作成 人がやる    : 家賃・維持保全の実施方法・解除に関する事項の表示の最終確認 □ AIが作った「家賃保証」まわりの表現が、実際の条件と食い違っていないか □ 判断に影響する重要な事項を、告げないまま勧誘していないか ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 3. 定期報告の下書きプロンプト(ChatGPT/Claude用) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※ 入居者名・部屋番号など個人が特定できる情報は伏せてから貼り付けてください。 ※ 出てきた数値は必ず原資料と突き合わせてください。 あなたは賃貸管理会社の事務を補助するアシスタントです。 下の【期間の記録】をもとに、オーナー向けの管理業務報告書の下書きを作成してください。 記録にない事実を補ったり、推測で数値を書いたりしないでください。 情報が足りない箇所は「【要確認】」と明示して、そのまま残してください。 ■ 必ず入れる3項目(賃貸住宅管理業法施行規則40条の記載事項) 1. 報告の対象となる期間 2. 管理業務の実施状況 3. 管理業務の対象となる賃貸住宅の入居者からの苦情の発生状況および対応状況 ■ 書き方 - オーナーが読んで判断できる粒度で。専門用語には短い補足を付ける - 苦情は「発生件数・種別・対応状況(完了/対応中)」が分かるように整理する - 金額・戸数・日付は、記録にある数値だけを使う。集計した場合は計算過程も併記する - 最後に「この報告書の確認者が見るべき点」を箇条書きで3つ 【対象期間】 (例:2026年4月1日〜2027年3月31日) 【対象物件】 (例:○○マンション/総戸数24戸 ※名称は社内管理用の記号でも可) 【期間の記録】 (ここに実施した管理業務・苦情対応のログを貼り付けてください) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 4. 違反したときに想定される措置(概要) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・業務改善命令(法22条) ・登録の取消し、または1年以内の業務の全部もしくは一部の停止(法23条) ・処分をしたときは公告(法25条) ・サブリースについては指示(法33条)・業務停止等(法34条)。いずれも公表されます ・罰則の例:無登録営業=1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(法41条1号)/  業務管理者を選任しなかったとき、帳簿の不備、秘密の漏えい=30万円以下の罰金(法44条) ※ 措置の要否や内容は個別の事情によって判断されます。上記は条文上の枠組みの要約です。